彩葉にほへと

彩葉の物語。。

彩葉の物語 1

彩葉が目覚めたのは10月だった

隣には夏生が居て
でもなぜそこに夏生がいるのか
彩葉にはわからなかった

それが今もすごく印象的な場面



彩葉が初めて痙攣を起こしたのは出勤前
朝ご飯を食べている時間で不幸中の幸い
家にはお父さんも、お母さんも、妹の七海もいた

数日前から高熱を出していたらしく
その日は何かがおかしいと
お母さんは感じとっていた

七海は救急車を呼び
痙攣を起した彩葉をお父さんは玄関まで運び…

市立病院に運ばれた彩葉は
ここでは診察は無理だと言われて
高速で一時間かかる県立病院に運ばれた

それから3週間彩葉は県立病院の集中治療室で
眠らされることとなる

家族、そして彼氏の夏生は3週間
仕事帰り毎日目を覚ましもしない彩葉を見に
県立病院に通うことに…

ふらふらのみんなを他所に彩葉は
夢を見ていた

そして夢から覚めるとあの場面



そう。夢から覚めた彩葉は記憶障害を患い
夏生と付き合っていた時間を
すっかり忘れてしまっていたのだった


【続く】